炭とチャコール療法ー麻炭の力
炭といえばバーベキューなどで使う木炭などを思い浮かべる人もいます。炭にはいろいろな役割があります。消臭効果やお米を炊くときにも入れます。木炭、竹炭、ヤシガラ炭、石炭、泥炭、練炭など種類もいろいろあります。特に優れているといわれるのが麻炭です。
チャコール療法とは
チャコール療法は炭の粉末を飲用することと、炭湿布を施すことです。炭を食べるとその吸収力によりセシウムやストロンチウムなど放射性核種を体から排出する効果があります。
日常的に麻炭を取り入れることで体の中にたまっている老廃物をデトックスする効果が期待できるのです。
炭と解毒の関係
炭は毒虫などに刺された場合も効果があるといわれています。ハチやマムシやムカデなどに刺された時には炭で湿布をします。乾いたらその都度交換していきます。
麻炭の力
麻炭は備長炭の4倍、竹炭の1.6倍の多孔質を持っています。そのため、人の体内の不要物質を吸収する力がそれだけあるのです。体で吸収や分解ができない物質を吸収して排出してくれる役割があるのです。炭には電磁波を吸着する作用もあり、普段電磁波を浴びることがある人もよいのです。
麻炭パウダーとは
古来から強い力を持っていると親しまれている麻。麻炭は麻の茎の皮を剥いだ麻殻を焼いて作られていてその炭を微粉化したものが麻炭パウダーになります。麻炭は優れた吸収力を持っています。麻炭パウダーは無味無臭です。水やお茶に溶かして飲んだり、ごはんに混ぜたりして使えます。
種から麻炭パウダーになるまでの工程
①地こしらえをする
麻の栽培は3月中旬の地こしらえから始まります。土が柔らかすぎてしまうと倒れやすくなるのでしっかり立たせる必要があります。
②種まきをする
種まきは3月~4月上旬に地こしらえをしたら麻専用の木製の種まき機を使って種をまきます。種をまいたあとは土かけをします。
③中耕する
種をまいてから7日から10日すると芽が出ます。成長が遅れている麻に随時追肥しながら成長をそろえていきます。約20日後、中耕の作業をします。根元には酸素を送り水はけをよくするために除草と土寄せをします。
④間引きをする
種まきから1か月たつと麻は40センチから60センチまで成長します。2か月たつと120~140センチにまでなります。160センチにまでなったら虫に食われているものなど間引きをします。間引き作業は品質にも大きく影響するといわれています。
⑤収穫(麻抜き)をする
種まきから110日後には260センチほどに成長します。色も濃い緑色から淡い緑色に変わります。収穫は手作業になります。刈り取るのではなく根から抜き取ります。茎を5、6本ひとつかみに握り、根を折るように一気に引き抜きます。
⑥湯掛けをする
殺菌のためと、収穫のときについてしまった傷や汚れを落とすのに茎になった麻を20~25センチに束ね、湯が煮えたぎった鉄砲釜に入れて湯掛けをしていきます。煮る時間が短いと麻が青くなり、長い場合は品質が落ちます。
⑦麻干しをする
湯掛けが終わり、風通しの良い場所で毎日ひっくり返しながら3日間から4日間干します。
地面にはつかないようにしておきます。乾燥した麻を〆麻といい、〆麻を直径45センチの束にしたものを〆麻束といいます。
〆麻束から精麻
①床臥(とこぶせ)せをする
床臥せは繊維を剝ぎやすくするための作業になります。麻舟に発酵菌が入った水をはり、〆麻束をくぐらせて一回転させます。水からあげたあとは藁やむしろをかぶせて寝かせます。床回しから寝かせる作業は2、3日繰り返し行われます。適度に発酵してくると麻は少し温かくなり表面はなめらかになります。発酵が足りない場合は光沢がなくなり、発酵しすぎると質が落ちます。
②麻剥ぎをする
発酵した麻茎の表面を剥いで、表皮を芯に分けていきます。芯の部分は麻殻といわれ、これが麻炭や麻紙の原料になります。
③麻殻から麻炭へ
麻殻を適当な長さに切ります。そして釜に少量入れて種火にします。さらに麻殻を入れて800度の製炭釜で約8時間から10時間、入れては燃やしを繰り返します。すると麻炭が出来上がります。そこから48時間鎮火処理をした後に乾燥させて製粉します。
まとめ
炭の中でも特に優れているといわれる麻炭の作り方について説明をしました。
次回は麻炭パウダーの威力についてお話をしたいです。