1986年、旧ソ連邦で起きたチェルノブイリの原発事故の際、ヨーロッパの有志が被災地に30トンの味噌を送ったことが、
大きな話題になったことがありました。
これは、長崎に原爆が投下された際、爆心地2キロ内にあった病院の放射線科医師、秋月辰一郎博士が書いた
「長崎原爆体験記」(日本図書刊行センター刊「日本の原爆記録」)の英訳本を読んだ人たちからの支援によるものでした。
本の中で秋月医師は、被爆直後、患者に「水を飲んではいかんぞ!爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯に塩をつけて握るんだ。 味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかんぞ!」と言っています。
秋月医師は、食物による放射能への治療効果を研究していて、日頃、海草を入れた味噌汁も患者に食べさせていました。
こうした食の指示に従った患者に原爆症がまったく出なかったと言う驚くべき事実があり、
これを知った人々がチェルノブイリの被災者たちに大量の味噌を送ったという話だったのです。
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